イタリア中部地震の記事の書き起こし及び翻訳を行っています。
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ある日、突然ナイジェリア人がTwitterで私をフォローして、ひととおり互いの自己紹介などをしたあと、こう言った。
「私はナイジェリアに住んでいるが、近くに食べ物や飲み物を買える場所もお金もなく、私は遠い場所にある川まで水を汲みに行かなければならない。じゃあね。また後で。」
それから、私が日本に住んでいることを知ると、「日本は安全だし、豊かだし、とてもいい場所だよね。私も日本に行きたいが、お金がない。欧州でも日本でもどこでもよいが、とにかくここから逃げられるお金がない。」
本日(2018/10/28)の朝日新聞によると、やはり欧州に憧れる人々は多いようで、欧州に行けば幻想的に思えたような豊かな暮らしができると思っているようであった。(そして、それは本当だ。)
なぜその人がTwitterができるかというと、欧州に行くための情報を収集しているのだという。ネット環境がある貧困層はアフリカに多いのだ。
彼が日本に来たいというので、私は日本に来る費用さえ工面できたら(これはgofundmeなどでどうにかなると伝えた)、運が良ければ「外国人技能実習制度」というものがあると言った。もちろん、それがどれだけ酷いものか―「現代の奴隷制」と揶揄されていても―をひととおり語った上で、
「福島第一原子力発電所の廃炉作業?過酷な肉体労働?どんな仕事でもします。」
そう彼は言った―外国人技能実習生がどんなに過酷な環境に置かれていようと、彼の暮らしはそれより酷いのだ。
愕然とした。
外国人技能実習生の高い過労死の割合、自殺、何も知らされずフクイチの廃炉作業を強制され…それに救いを求めるほど、彼の置かれた環境は酷いのだ。
イタリアにおいて、移民に賛成している人と反対している人の意見を紹介する。
双方ともラクイラに住んでいる。
賛成派の友人から言われたのは、「人道的な支援」という言葉だった。
飢えて亡くなるアフリカのこどもたちや、欧州移住を目指して亡くなった夢を持った移民達のことを聞くと、とても胸が苦しくなるという。
「彼らが私達の街に来ればよいのに」と友人は言っていた。その街がまだ地震から復興していないにもかかわらず。
反対派の意見としては、「イタリア人を優先すべき」とのことだった。
友人は震災後失職中だという。無能なイタリア政府が被災者に何もできていないのに、よその国の人を救う必要など、ないとは言わないが、薄いということだった。