イタリア中部地震の記事の書き起こし及び翻訳を行っています。
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イタリア語にはパロラッチャ(Parolaccia)と呼ばれるスラングがある。パロラッチャは友人とチャットするには必須と言われているが、それはなぜなのだろうか?
ある日、イタリア人の友人たちと(※ラクイラの出身者ではない)チャットしていた際に、私には意味の分からない単語がいくつか出てきた。
「ごめん、merdaってどういう意味?」
私は聞いてみた。
すると、彼はこういった。
「日本人の君は知らなくていいよ」
私が会話についていけずにいるのを察したのか、別のイタリア人が助け舟(?)を出した。「英語のshitと同じだよ(笑)」
そしてすぐに彼はこう言った。
「Welcome to Italy(※原文)」
「これらの言葉はパロラッチャと呼ばれるイタリア語のちょっと汚いスラングなんだけど、パロラッチャが君をイタリア人にするからね」
彼は笑って言った。
パロラッチャの特徴として、お手洗いで出すもの(かなりオブラートに包んだ)に関する言葉が多いといわれている。
日本語の悪口が相手の人格をののしる言葉が多いのとは違う。
一例をあげると、
cazzoやmerdaなどである。意味はご自分で調べていただきたい。
ちなみに、イタリア語には「夜の営み」に関係する言葉は少ないそう。
それは、イタリア人にとってそれが「悪いもの」ではないということに由来するそうだ。
そもそも、ラクイラ方言(dialetto aquilano)とは?
「ラクイラ方言とは、ラクイラ及びその周辺地域において主に話されているイタリア語の方言のひとつ。話者はラツィオ州(州都はローマ)とアブルッツォ州(州都はラクイラ)の一部であり、約10万人。」
https://it.m.wikipedia.org/wiki/Dialetto_aquilano
ちなみに、アマトリーチェ(ラツィオ州リエーティ)でもラクイラ方言が話されているらしい。
ただ、これが難しい。本当に難しい!
もし読者の皆さんがラクイラ方言を学び始めたら、その難しさに気づくだろう。
「標準イタリア語が話せれば、カンで読めるんじゃない?」といった淡い期待は粉々に打ち砕かれる。
外国人が関西弁を学ぶ大変さがよくわかる。
実際、ラクイラに住む友人に「ラクイラ方言って難しいよね!」と話すと、「本当にね。」と言われるほどだ…。
さて、ラクイラ方言を習得したい!と思う人がいたなら、伝えなければならない悲しい事実がある。
それは、習得のための書籍がほぼなく、語学教室もなく、習得したいと思えばラクイラの住民に教えてもらうしかないということだ。
だが、心配することはない。というのも、話者がほぼラクイラ近郊に限られているため、彼らは標準語も話せるのだ。もし標準イタリア語がある程度話せれば、ラクイラに旅行して「言葉が通じない」という経験はまずない。
また、ラクイラに住む人と友人になりたいと思う読者がいたとしたら、彼らは間違いなく標準イタリア語(人によっては英語も)が通じるため、あえて方言を学ぶ必要はない。
前述のとおり、ラクイラ方言を習得したいならラクイラに住む人と友人になるしかない。ただ、ラクイラは人口が約7万人という小さな都市なので、「日本語を話せる人」はそう多くない。(少なくとも私の友人にはいない。ただ、震災時の支援などにより日本に好感を持っている人は多い。)
その条件の中で、ラクイラ在住の友人と出会うのに有用なのがフェイスブックだ。フェイスブックを国際交流のツールとして使えば、標準語も方言も身につけることができるだろう。
また、もしあなたがアブルッツォに恋に落ちているほど好きならば、アブルッツォに長期滞在もしくは移住することでラクイラ方言を身につけることができるだろう。ただ、アブルッツォ全体がラクイラ方言を話しているわけではなく、あくまでもラクイラ近郊に限られてはいるが。
実際、私の友人がいて、彼はローマ郊外の都市在住だが、幼少期をラクイラ近郊で過ごしていたため、ラクイラ方言が難なく理解できるという。父親の実家がラクイラ近郊にあるという。
そして、最後に重要なことを言おう。
いまの若い人達はラクイラ方言を使わないらしいとアブルッツォ在住者が言っている。
最後にひとつ、有用な資料を紹介する。
http://www.bluedragon.it/aquilano/dizionario/dizionario.htm
ラクイラ方言の辞書です。
ちなみに…
ラクイラ方言で書かれた文章はこんな感じです。