イタリア中部地震の記事の書き起こし及び翻訳を行っています。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
1.惨事ストレスとは
惨事ストレス(英訳: Critical Incident Stress)とは「通常の対処行動規制がうまくいかないような問題や脅威(※)に直面した人か、惨事の様子を見聞きした人に起こるストレス反応」と定義される。(Everly, Flannery & Mitchell, 2000)
(※)の内容を「惨事(critical incident)」と定義している。
惨事の例としては、自然災害、交通事故、火災、ビルなどの倒壊、テロや戦争などの人為的災害や事故、暴力やレイプなどの虐待・暴力的行為などが含まれる。
参考文献::「惨事ストレスへのケア」松井豊
2.惨事ストレスを強める要因
要因の一つ目は、「悲惨な場面を目撃/見聞きした」際の悲惨さ(あくまでも主観的なもの)である。
要因の二つ目は、「惨事が起きた際、自分の身の安全が確保できていたか」である。仮に自らにも身の危険があったのに作業を続けなければならなかった場合、惨事ストレスは悪化する可能性が高い。
三つ目は、同僚に「殉職者がいたかどうか」である。
その他、マスコミの注目が負担となりうる。
3.惨事ストレスの症状
惨事ストレスの症状はPTSDによく似ている。
・睡眠障害(不眠気味になるなど)
・フラッシュバック
・悪夢
・緊張状態、味覚の変化、動悸、冷や汗などの身体的症状
4.惨事ストレスを受ける人
消防士や医師、自衛隊などの災害救援者だけでなく、惨事に関わった人全員に発症のリスクがある。
また、報道を聞いただけの人も発症しうる。
同時多発テロ(2001年、アメリカ)の際、多くのアメリカ人が惨事ストレスを受けていたとされる。
5.惨事ストレスを放置すると
多くの場合、惨事ストレスは一過性のものである。
放置すると急性ストレス障害、さらに適切なケアが行われないと心的外傷後ストレス障害、うつ病などのリスクがある。